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秋田木工 ナラ材曲げ木 肘掛け椅子

秋田木工社のヴィンテージアームチェアです。昭和20年台後半〜30年代頃でしょう。フレームはナラの無垢材使用で、座面は青のファブリックで張替済み。
1950年代以降、秋田木工は剣持勇などの日本人デザイナーよるモダンな椅子をいくつか発表しています。こちらの椅子のデザイナーは不明ですが、高いデザイン性を感じさせ、ベントウッドチェアによく使用される、柔らかくて曲げやすいブナ材ではなく固いナラを材として使用している点に、「日本で唯一の曲げ木家具専門メーカー」である秋田木工の技術力の高さを感じます。
肘掛の正円形の断面は、秋田木工から発表された数種の剣持勇デザインのアームチェアと共通するディテール。この椅子も剣持勇によるデザインの可能性が高いと思います。
背もたれから両アームまでは一体の構造で、しっかりきれいな曲線を描いています。

笠木は平らに仕上げられており、背中をよりしっかりと支えてくれます。アームも肘が楽にのせられる高さ。
座面下地には曲げベニヤが使用され、良好な座り心地になっています。
座面と脚の間に少しスペースが空けられており、余裕のある横幅で、抜け感のある軽やかな印象に。
斜めに伸びる後ろ脚上部の曲線も、滑らかできれいです。
ナラ材ならではの木目が、それぞれに個性的に表れています。
張り地はざっくりとした質感の、ウール混の生地使用。内部のウレタンも交換済みです。
1脚の笠木に少し表面的なクラックがあり、
アームに傷が見られます。
また、向かって左脚の接合部に若干の隙間が生じています。2脚とも横に少しだけ揺れる印象ですが、使用に支障はない程度です。
積み重ねた技術の高さと時代を超えたデザイン性を感じるアームチェア。見かけることがほとんどなく、それほど知られていませんが、素材感も含めとてもいい椅子だと思います。

秋田木工 ナラ材曲げ木 肘掛け椅子

サイズ   幅550、奥行き500、高さ685、座面高さ432
価格   売約済 ありがとうございました。