世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
Modern design and Folk art of the world.

Shopping

菅井汲 “フェスティバルローズ”

50〜80年代にかけて日本とフランスで活躍した画家、菅井汲(すがい くみ)の、1990年に発表されたリトグラフ作品「フェスティバルローズ」です。1996年に亡くなっていますので、かなり後期の作品と言えます。刷りは4区マレ地区にあるパリ最古の版画工房、Atelier Clot。
晩年の菅井はこのS字のようなモチーフを使って絵を描き続けることから発露する個性を追求し、同じパターンで多くの作品を残しています。これはスガイの“S”であり、高速道路のカーブもイメージした図柄だったようです。
中の市松模様はチェッカーフラッグのようにも見えます。
上が正方形で下が正円のこの市松模様は1箇所ずつ青の色味が濃くなっており、作品に不安定さも与えている印象。
赤とピンクの色使いからは、疾走している時の興奮と情熱が伝わってくるよう。
エデイションは84/150。
ナンバー、サインともに鉛筆による肉筆です。
ナチュラルでモダンなナラ無垢材のフレームに額装された状態。
裏面には金具と紐付きです。
スピードを愛した菅井らしい、機械的かつ大胆に描かれた幾何学模様。飾りやすい小ぶりなサイズ感ですが、菅井の思考と嗜好が強くあわられた、目を引く作品です。

菅井汲 “フェスティバルローズ”

サイズ   縦455、横355

価格   売約済 ありがとうございました。