世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
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フランス プレイヤーチェア

エルムと思われる無垢材が使用された、教会で使用されていたフランス製のプレイヤー(礼拝者)チェアです。座面はラッシ編み。1800年代後期〜1900年代初頭に作られたものでしょう。
フランス語源の“Prie-Dieu(祈祷台)”とも呼ばれており、跪いて肘を置きながら祈る行為のための台がベースとなったデザインです。
やや低い座面と高めでフラットな笠木が特徴的。
クロス型の抜きもチャーチチェアらしいディテールです。
きれいに編まれたラッシの座面。良好な状態が保たれています。
耐久性に優れたがっしりとした脚は、多くの信者たちの体を支えてきたことでしょう。脚先が少しカーブしており、実用性だけではなく見た目の美しさにもしっかり配慮されたデザイン性が見てとれます。
肘を置きやすいように、フラットになった笠木。縦材は割り楔枘で固定されています
材は要所に面取り加工が施され、全体に丁寧に作られた椅子であることが伺えます。
“シートはSAINT-JOSEPHの工場製”とフランス語で表記されたプレートが残っています。ラッシの座面は、ベルギー南部FlorennesのMorialmeという町に合った工場で編まれたものと思われます。
木部や、
ラッシ共に表面的な傷みが見られますが、使用に関わる大きなダメージはありません。
素朴な印象ですが、作りはとても良く、歴史や機能性を踏まえると、「デザイン」という意味でも完成度が高いと思います。日本ではなかなか見る機会が無い椅子でしょう。独特の佇まいが美しい、たいへん魅力的な1脚です。

フランス プレイヤーチェア

サイズ   幅475、奥行き455、高さ955、座面高さ360
価格   売約済 ありがとうございました。