世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
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Charlotte Perriand “No.19”

1903年パリ生まれの建築家、デザイナー、Charlotte Perriand(シャルルット・ペリアン)によるデザインの椅子、“No.19”です。フレームはビーチ材、座面はラッシ編み。
ペリアンはコルビュジエのアトリエで働いていた経験があり、ピエール・ジャンヌレと3人共同で家具のデザインなども手がけていました。前川國男や坂倉準三とも机を並べていたようです。その縁で日本でもデザイン活動をしており、日本のデザイン界にも大きな影響を与えました。
発表は1939年。曲線的でデコラティブなものが主だったそれまでのヨーロッパの椅子を、いくつかのデザインを経てかなり直線的でシンプルなフォルムにリ・デザインしています。こちらは1950年代頃に作られたものと思われます。
全体に太くどっしりした印象の脚ですが、わずかに先細りにシェイプされており、洗練された印象を与えています。
グロピウスやコルビュジエなどが金属を用いた新しい時代の家具を発表していたモダンデザイン黎明期において、ペリアンが木材を用いたモダンな椅子を発表したというのはかなり大きな意味を持っていたのではないでしょうか。彼女は日本でも竹を用いた家具のデザインに挑戦しています。
座面にも自然素材である「ラッシ」が使用されています。松本民芸家具の椅子にも多く使われている材料。創業者である池田三四郎もペリアンとは同世代ですので、影響を受けたであろうことは想像に難くありません。
木部の小キズや、
ラッシ編みにやや使用感が見られます。グラつきや大きなダメージはありません。
希少な、木を材料としたフレンチ・モダンヴィンテージチェア。一見普通の椅子のような印象ですが、それまでの椅子から考えると驚くほど簡潔でシンプルなフォルムと受け止められたことと思います。モダンデザインという概念が広まりつつあった時代にデザインされた、歴史的にも意味の大きい1脚だと思います。

Charlotte Perriand “No.19”

サイズ   幅435、奥行き450、高さ955、座面高さ455
価格   売約済 ありがとうございました。