世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
Modern design and Folk art of the world.

Shopping

昭和初期 油彩ワゴン

桜と思われる無垢材で作られた、油彩用のワゴンです。昭和初期頃のものでしょう。
最上部は天板を開いて使用する収納、その下に3杯の引き出しが付属しています。
天板を開く際には、側板についた羽を広げて乗せる仕組み。
内部にはブリキのケースがはめ込まれており、絵の具などを収納するためのスペースになっています。片側は深さがあり、筆やナイフなど長さのあるものも仕舞える仕様に。
引き出しは、一番上にA4、その下2杯にはA3の用紙が入ります。
天板を持ち上げやすいように、小さな手掛けが設けられるなど、細部まで丁寧な作り。
使い込まれたブリキの表情に、長い時の流れを感じます。
蝶の羽のようにも見える有機的なラインの天板支えや、少し内側に入った脚先からはアール・デコの影響が窺え、戦前の洋家具らしいディテールとなっています。木製のキャスターもこの時代ならでは。
無垢材を削り出した、やや丸みを帯びた取っ手もいい雰囲気です。
全体に色むらがあり、天板には乾燥による隙間や、
傷や打ち込みが見られます。
枠や、
引き出し内部にシミなどもありますが、目立つダメージや構造に関わる問題はありません。
一番下の引き出しを収納した際、枠よりも少し奥に入ってしまいますが、使用には支障のない程度かと思います。
この時代の油彩ワゴンはあまり目にする機会がありません。細部に感じられる優雅さがたいへん魅力的。小物の収納などにいかがでしょうか。

昭和初期 油彩ワゴン

サイズ   幅614〜1,172、奥行き395、高さ556
価格   売約済 ありがとうございました。