世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
Modern design and Folk art of the world.
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Eduardo Arroyo リトグラフ作品
1937年にスペイン・マドリードで生まれた画家、Eduardo Arroyo (エドゥアルド・アロヨ) による1989年のリトグラフ作品“Hommage a la Tour Eiffel”です。Jean Tinguely、César、Arman、Valerio Adamiらとともに、エッフェル塔をモチーフに制作した連作のうちの1枚。画像では衣服部分に濃淡がついている様にも見えますが、写り込みによるもので、実際は襟元以外はブルー1色で表現されています。Arroyoはジャーナリストを志望したのち、風刺画家としてキャリアを開始しました。スペイン内戦後のフランコ独裁政権に反発して1958年からは制作の拠点をフランス・パリに移し、グラフィックデザイナー、舞台装飾家、衣装デザイナーなどとしても幅広く活躍しています。大胆な色彩による平面分割を用いた作風はポップアート的でもあり、コミックからの影響や、風刺画的な要素も感じられます。エディションは150、鉛筆による肉筆サイン入り。フレームに小傷があり、アクリルにスレが見られますが、作品自体に大きなダメージはありません。日本ではあまり知られてない、20世紀後期のスペインを代表する現代美術家のポップな作品。黒い細身のフレームが作品を引き締めており、モダンな家具を中心とした空間がよく似合いそうです。