世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
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鳥取家具工業 2人掛けベンチ

民藝運動が盛んであった鳥取県に存在していた家具工房、鳥取家具工業社製の2人掛けベンチです。70年代頃のものでしょう。
デザインは、1950年から1963年まで鳥取県工業試験場にデザイン専門の技師として在職しており、鳥取県内でデザイン指導を行っていた同社と深い関わりがあったデザイナー、小島基氏が手掛けたものと思われます。
フレームにはブナの無垢材が使用されており、曲木で成形された背のスポークのラインと、前脚から繋がった笠木のラインがとてもきれい。
座面はウール混のファブリックで張り替え済み。
ベンチには同じデザインの1人掛けチェアには無い斜めの材が加えられ、構造的な強度にもしっかり配慮されています。
やや明るめのフレームに合わせて、鮮やかなトーンの青いファブリックを選びました。
挽き物によるアクセントや、
テーパーした各部分のラインなど、細部まで意識が届いたデザイン性が見て取れます。
フレームに傷や打ち込みが見られます。
フレームに細かい塗装の傷みなどが見られますが、目立つダメージはありません。
脚先にわずかな欠けがありますが構造や使用に影響するほどではないようです。
フレームと座面の色味が変わるとだいぶ印象も変わります。小島基〜鳥取家具工業の製品の中でも見かける機会の少ない希少なプロダクト。ヨーロッパの椅子を参考にしながら日本ならではの美意識に基づくモダンデザインとして、とても完成度が高いデザインに仕上がっていると思います。

鳥取家具工業 2人掛けベンチ

サイズ   幅1,125、奥行き610、高さ750、座面高さ420
価格   売約済 ありがとうございました。