田中米吉 立体作品 1925年山口県生まれの現代彫刻家、田中米吉氏の立体作品です。70〜80年代に制作されたもの。 同氏は、宇部工専(現・山口大学工学部)機械科を卒業後、一度教師を務めたのちに美術家を目指して上京。その後は山口に戻り、家業である老舗和菓子屋の御堀堂の仕事をしながら作品を発表していたようです。立方体や直方体、円形などが用いられた幾何学的なモチーフを、金属やFRP素材などを用いて壮大なスケールで表現した作風が特徴です。 黒色に塗装されたプラスチック素材の立体に、金属製のシンプルなベースが組み合わせられており、球体に円環体が融合した惑星のような独特な形状が目を引きます。 片側には大きな穴が空いており、 その背面に吸い込まれるように側面から形が伸びており、 宇宙空間のような無限性を感じさせます。 ベースに「Y.TANAKA」の刻印入り。 表面的な傷、塗装の剥がれが見られますが、割れなどの目立つ大きなダメージはありません。 幼い頃に障子の穴から覗いた際に、外の景色が近くに感じられた経験から、空間的な作品“ドッキング”を制作するきっかけとなり、「その無辺際なスケールにこわさをみる」と言葉を残しています。同氏の作品では野外設置や大規模な作品が多いなか、こちらは室内空間で身近にその表現を感じることができる、貴重な作品だと思います。どこか遠くを流れているような浮遊感のある佇まいを、様々な角度から眺めてお楽しみください。 田中米吉 立体作品 サイズ 幅350、奥行き220、高さ300 価格 売約済 ありがとうございました。 購入する ( Contact )