世界のモダンデザインと民芸 日本人の買い物の軌跡
Modern design and Folk art of the world.

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そういえば。 一昨日で11周年を迎え、12年目に突入しました。最近店の誕生日も忘れちゃいますね。そのくらい続けていけているということで、本当にありがとうございます。

 

新しいスタッフを迎えたり、新しい場所を準備していたりと、淡々とした日常の中にもそれなりの変化を重ねつつここまでたどり着き、またこの先も続いていきます。 なかなかお知らせできていませんが、新スペースの準備もゆっくり進んでいます。もう少しお待ちくださいね。

 

本当に皆様のおかげでここまで来れました。心から感謝申し上げます。どうもありがとうございます。今後とも、スタッフ一同共々、どうぞよろしくお願いいたします。

 

店主 原

 

基本的には「物語」よりも「哲学」に興味がある。「物語」が内包している「哲学」こそが肝心というか。

 

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2年続けて同じ土地に旅し、同じ宿に滞在したのは初めての体験。海と湖といくつかの低い山と田畑以外は何もない土地だけど、それはつまり何でもあるという事。

 

 

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それに加えて、心地よい空間、心地よい人、最高の材料、それに対するリスペクトが感じられる最低限かつ的確な仕事、その為に必要な慎ましさや謙虚さ、そしておおらかな美意識、など、続けて訪れるべき理由は沢山ある。それに何より人が少なくて静かなのが良いし、時間と労力を掛けなければ到達しないという、その労力も魅力の一つに加えてもよいのかもしれない。

 

 

 

古物店にも哲学は必要だし、基本的には哲学のない古物店なんて無いのだろうと思う。じゃあその「哲学」って何だ?という問いは当然あるのだけど、シンプルに言ってしまえばBoogie Down Productionsの、その名も“My Philosophy”というタイトルの曲で流れるサンプリングの通り“I Think Very Deeply.”、つまり「深く考える」という行為につきるのだろう。

 

 

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「深く考える」とは、歴史という縦軸的にも、民族や国境という横軸的にも、より多くの他者的視点を自己に取り込み、できるだけ多角的に物事をとらえようとする思考行動の事。あらゆる文化はその為の手助けになる。文学も、映画も、音楽も。フィクションも、ノンフィクションも。旅も。

 

 

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自分の凝り固まった価値観を心地よく崩してくれるようなインプットは、最高の娯楽なのかも知れない。

 

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暑苦しい夏もいよいよ終盤、9月に入りました。

今月もどうぞよろしくお願いします。

「茶道」

2018.03.15

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今回の「茶道に触れる会」のイベントを企画するに至った、個人的な体験について

少し書いてみます。

 

いつもたいへんお世話になっているとある方にご紹介頂き、今回講師を務めていただく

先生の教室でお稽古を少し体験しました。

 

短い時間でしたが、心地よい緊張感、動きの全てに意味を存在させるストイックさ、

道具の美しさ、その時にしかない特別な時間をお客様と共有するというある種の儚さ、

そんなことが強く印象に残りました。そして先生の滑らかな動きのきれいさも。

そういう意味では身体表現でもあるんだな、と。

 

どちらかというと敷居が高く、ともすると花嫁修業みたいなイメージも強く、

特に若い男性などとは縁遠い世界、みたいな印象かも知れませんが、

そんな偏見を持ったままでいるのがとてももったいなく思えたのです。

ほんの少し体験しただけですが、男性的な側面も思っている以上に感じられました。

 

お教室で正座してのお稽古はなかなか取っつきにくいかも知れませんが、今回は

椅子に座ってのお盆を使用したお点前の体験をしていただきます。

そして、茶道全般や道具に関する先生のお話しも。これもとても興味深く、

表面的な作法以上の、知的好奇心を刺激してくれるお話が伺えるかと思います。

 

デザイン的にも工芸的にも、日本の文化を語る上では書かせない「茶道」という世界。

そしてお茶室とは一味違うroom103の空間での茶道体験、

ぜひ色々な人にご参加頂きたいと思っています。

 

 

 

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今年の山行はなかなか天気に恵まれず。でもこうやって雲の向こう側に見える小さな青空を見つけて眺めるのもいいものです。

 

おかげさまで6月28日を持ちまして8周年を迎え、9年目に突入しました。客商売ですので、まったくもってお買い物して下さる、ご来店下さる、各SNSでフォローして下さっている皆様のおかげでございます。本当にありがとうございます。

 

いつの間にかスタッフも増えました。自分で直接する作業が徐々に少なくなり、任せる事が多くなりました。店名の通りの態度で日々を進める事で、今の状況になっています。開店した時には、いや、3年前にも考えていなかった今の状況。背負う物は大きくなりましたが、もちろん自分だけで背負っている訳では無く、皆で一緒に背負って進んで行きたいと思います。

 

「物」を扱っているのですが、その先に見える作り手や持ち主、その時代に生きていた人たちと会話をしているような、そんな気分によくなります。「物」はあくまでも仲介者。過剰に物語や期待を負わせず、「物」に自分の幸福を託す事なく、自分自身が「物」とどう向き合い、その先に感じる「人」にどう向き合い、そして今の現実にどう接するのか、そんなことを考えることに大きな意味があるのでは、と思います。

 

これからも淡々と、出会う物や人にしっかりまじめに向き合いながら日々を進めて行けたら、そうして残りの人生をこの商売でやり過ごして行けたら、幸せな事ですね。

 

9年目のLET ‘EM INもどうぞよろしくお願い致します。

 

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長崎

2015.11.06

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長崎へ行っていた友人がとても良い顔をして帰って来た。何だかとても行きたくなって、遅い夏休みは長崎へ。

 

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当然歴史は文化的にも産業的にも、東京よりも深い。残るべき物は残り、再現されるべき物は再現されている。

 

もちろん新しい文化の息吹も感じるが、どこか落ち着いているように感じられる。地に足が着いているというか。

 

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東京がなお一層ひどく田舎臭く感じられた。

今次々にオープンしている、高感度だとされる店舗のうちどのくらいが、数十年後にそのままの形を残して町に馴染んでいるのかな、などと考える。

 

でもそれは、多摩地区出身の田舎者でも都会物でもない、中途半端な人間の勝手な感想なのだろう。

 

まあしかしいろんな感想を抱くのは人の自由なのだから、これからも勝手な感想を抱きつつ、町や歴史を見つめて行こうと思う。

 

(2015年10月 上五島 中通島)